体に糸を残さない手術
当院では、血管シーリング機能を持つ高周波手術装置(電気メス)ERBE VIO300Dを導入し、体内に糸を残さず、より安全で低侵襲かつ迅速に手術を行うことが可能です。
避妊・去勢手術をはじめとした外科手術は、従来血管を縫合糸で縛り、その糸を体内に残す方法で行われていました。しかし近年、この体内に残した糸が「縫合糸反応性肉芽腫」という病気を引き起こすことが報告されるようになりました。縫合糸反応性肉芽腫とは、体内に残った縫合糸に対して体が炎症反応を起こし、縫合糸を中心にしこり(肉芽腫)ができる病気で、日本ではミニチュア・ダックスフントで特に多く発生すると言われています。発症した場合には、摘出手術や、ステロイドおよび免疫抑制剤による長期的な内科治療が必要になります。
そこで当院では、縫合糸を使わずに血管を電気の力で圧着して止血、切断処理することが出来る血管シーリング機能を搭載した電気メスを導入し、体内に糸を残さない手術を実施しています。これにより、縫合糸反応性肉芽腫の発症を予防する効果が期待できます。また、避妊・去勢をはじめとした外科手術の時間短縮が可能となり、麻酔のリスクの低減に繋がります。
さらに、当院で使用する電気メスは、切開・凝固の出力を自動制御することにより組織の熱損傷を低減することが可能であり、またアルゴンプラズマ凝固装置を搭載し生体に対して低侵襲に手術を実施することが出来ます。
血管シーリング機能を持つ高周波手術装置(電気メス)ERBE VIO300D
広い範囲を浅くすばやく止血することが可能なアルゴンプラズマ凝固装置